Seagate製HDDでFARM値の使用時間を確認する方法【Windows】

Windows10の環境で、Seagate製HDDの「Field Accessible Reliability Metrics(FARM)」の使用時間(Power on Hours)を確認する方法のご紹介です。

SMARTとFARMの不一致

2025年1月頃、ドイツのニュースサイト「Heise Online」が、Seagate製の新品HDDを購入したにも関わらず、中古HDDが届いた事例が複数報告されていることを報じました。

参考:Fraud with Seagate hard disks: Dozens of readers report suspected cases | heise online

記事によると、SMARTから確認できる使用時間は数時間にも関わらず、FARMでは数万時間となっていたとのことです。

FARM:Field Accessible Reliability Metricsの略。主にSeagate製HDDで確認できるSMARTをより拡張した統計情報。Smartmontoolsで確認可能

記事でも報告されているHDDがあったので、FARMで使用時間(Power on Hours)を確認する方法をご紹介します。

なお、確認したのはAmazon.co.jpで購入したExos X16(ST16000NM001G)で、SMARTとFARMの使用時間が一致しました。


Smartmontoolsのセットアップ

FARMはSmartmontoolsで確認できるためインストールします。

  1. Githubから最新版のSmartmontoolsをダウンロード
  2. ダウンロードしたsmartmontools-x.x.win32-setup.exeを実行
  3. ユーザアカウント制御が表示されますが、はいをクリック
  4. I Agreeをクリック
  5. Next>をクリック
  6. Installをクリック
  7. インストールが完了したら、Closeをクリック

FARMを確認する

  1. コマンドプロンプトを管理者権限で起動(起動方法はこちら
  2. smartctl –scan-open」と入力し、エンター(ENTERキーを押下)
  3. HDDのパスを確認します(例:/dev/sda)
    ※どれか不明な場合は、順に「smartctl -i “ドライブパス"」を実行して、モデルやシリアルナンバーを確認してください
  4. smartctl -l farm “ドライブパス"」と入力し、エンター(ENTERキーを押下)
  5. FARMで使用時間(Power on Hours)が確認できます。

トラブルシューティング

Open failed, Error=5

コマンドプロンプトを管理者権限で開いてください。

参考:【Windows10】管理者権限でコマンドプロンプトを開く

FARM log (GP Log 0xa6) not supported for non-Seagate drives

対象のHDDがFARMに対応していません。

Unknown USB bridge
Please specify device type with the -d option.

-d satを追加してください

USB経由の場合、デバイス種別の自動認識がうまく動作せず、明示的に指定する必要があります。

例:smartctl -l farm /dev/sda -d sat